個人事業主と株式会社の違いとは?それぞれの特徴を徹底的にご紹介!

個人事業主と、株式会社〇〇、〇〇株式会社などと呼ばれる法人には一体どんな違いがあるのでしょうか。

2018年に働き方改革が施工され、近年ではサラリーマンとしてではなくフリーランスとしてや、自分で事業を持ち仕事をしたいと考える方が増加しています。今までは、1人の会社員として組織のために長く働き続け、地位を築きあげるという事が日本では主流の考え方とされていました。しかし、このような風潮は概念として色濃く残りつつも、最近ではだんだんと個人レベルでビジネスを持ち、いかにそれを成長させていくかという方向に国民の意識が向きつつあります。このように変化していく時代の中で、気になるのはどのような方法でその独立を実現するかです。

事業を始めるにあたり、世の中には個人事業主、株式会社を設立するなど、レベルに応じて様々な選択肢を取る事が可能です。そしてどの方法を選んだとしても、もちろんそれぞれにメリットとデメリットというものが存在します。ここでは主に個人事業主と株式会社の違いをはじめ、それぞれのメリットやデメリットについてもあわせて解説していきたいと思います。

個人事業主と株式会社の違い

まず個人事業主とは、会社を設立せずに事業を行う人のことを指します。個人事業主はフリーランスとも呼ばれますが、厳密には個人事業主は事業形態や務上の区分をするための用語であり、フリーランスという言葉は働き方そのものの形を表します。そして個人事業主の中にはフリーランスと呼ばれない事業主も存在し、飲食店など店舗を構えて営業している方がそれに当たります。また個人事業主は会社員のように特定の団体や会社には所属せず、特にフリーランスと呼ばれる事業主たちは単発の契約ごとに結び仕事をしています。

一方で株式会社とは、一法人として設立された組織であり、株主と呼ばれる人たちから資金を集める会社のことを指します。利益をあげることを目的としている点では個人事業主とは相違ありませんが、特に株式会社での取締役は株主から任命されて決められ会社価値、また利益をあげるために事業を行います。

また法人という言葉ですが、これは法人格を与えられることにより、人間と同じような法的な権利や義務が認められるようになった団体のことを意味します。株式会社をはじめ合名会社、また一般社団法人やNPO法人などもこれに含まれます。つまり、人間が何か問題を起こした際には法的に訴えられることや、商品を買う権利が与えられていることと同じように、法人にもそれら売買・所有・裁判などにおいて責任や義務を負う事が認められているということです。こうして法人化することにより、団体名義での様々な活動ができるようになります。

個人事業主のメリット

個人事業主と株式会社の根本的な違いがわかったところで、次はメリットとデメリットを交えながらそれらの違いについてさらに深く掘り下げていきます。では初めに、個人事業主になるメリットについて解説していきます。

まず一つ目のメリットは、事業開始の手続きが比較的簡易であるという点です。個人事業主として事業をスタートさせる際に必要な手続きは株式会社を設立する場合と比べ何倍も手軽で、ハードルもそこまで高くありません。具体的には、開業届を提出すれば個人事業主として認められます。基本的に、開業届は事業をスタートさせてから1ヶ月以内に提出しますが、仮に出さなかったとしても得に罰則等はありません。しかし後の税金関係や金融関係の手続きの際に、開業届を出していた方が手続きがスムーズになるケースが多いため、早めに提出しておくことをおすすめします。

二つ目のメリットは、初期費用を安く抑えることができる点です。株式会社を設立する場合であれば少なくとも定款作成と登記費用として約6〜25万円、その他にも資本金なども合わせまとまったお金が必要になりますが、個人事業主の場合だと開業届を出すだけで作業が完了するため、費用を大幅に抑えることができます。

最後に、税金の処理を簡単に行えるという点は個人事業主としての大きなメリットと言えます。個人事業主の多くは、儲けが極端に少ない場合や書類の手続きをしたくないという事業主以外、確定申告の際に青色申告というものを行います。これは節税効果を期待する申告書類であり、本来であれば申請にあたり複式簿記などの手間のかかる帳簿をする必要がありましたが、近年では便利な会計ソフトが開発されたことから、そのようなツールをうまく使い作業を簡単に済ませることができるようになりました。このような便利なツールを使って手間を省き、賢く控除を受けたいところです。

個人事業主のデメリット

まず一つは、経費として認められる範囲が狭いという点です。株式会社であれば経営者自身の給与は役員報酬として経費として落とすことができ、また経営者の生命保険なども経費として計上することができます。しかし個人事業主は、経営者の給与は経費にはなりません。

二つ目のデメリットは、株式会社に比べ社会的信用度低いということです。これは資金調達や人材確保などの面において影響することが多々あり、融資を受けたり採用の際に苦労する場合も少なくありません。個人事業主は法人として成り立っている株式会社と比べて事業の安定性という面において信用度が劣る傾向にあり、全体的なイメージとしてこのような印象が拭えないのは事実です。

株式会社のメリット

株式会社であることのメリットの一つは、高い節税効果が期待できる点です。個人事業主でも青色申告のように控除を受けることができる場合もありますが、株式会社には個人事業主よりも経費として計上できる項目がはるかに多く存在します。個人事業主の経費項目は全て株式会社でも経費としてみなされ、経営者自身、家族従業員の給与、また生命保険や住宅賃料など、その他の項目についても経費として計上できものが多くあります。

もう一つのメリットは、社会信用度が高いということです。先ほどにも呼べたように個人事業主ではなかなか信用度という面で人材が集まりにくかったり、金融機関からの融資を受けることが難しかったりと、事業形態が株式会社ではないというだけでチャンスを逃してしまう場合があります。しかし株式会社は、その点個人事業主に比べ信用を得やすく、優秀な人材も集まる可能性が高くなる傾向にあります。一概には言えませんが、体裁的にも法人であるということが人を安心させる要素になる場合もあるでしょう。

他には損失が出た場合に、その赤字分を翌10年間繰り越すことのできる「欠損金の繰越控除」、また先ほどにも述べた社会的信用度が高い点など、株式会社にも個人事業主と同様に多くのメリットが存在します。

株式会社のデメリット

株式会社のデメリットとして、手続きに多額の初期費用が発生するという点があげられます。冒頭にも述べたように定款作成や登記だけで数十万円単位での資金繰りが必要になる他、毎年法人住民税として少なからず7万円は支払わなければなりません。

もう一つのデメリットは、株式会社を設立すると税金の処理がかなり複雑になることです。法人にかかる税金には9つもの種類があり、固定資産税、法人事業税、法人住民税などそれぞれの内容をしっかりと把握しておかなければならず、またそれら税金を滞納した場合には財産の差し押さえなどの厳しい処罰が待っています。

まとめ

個人事業主と株式会社のそれぞれの特性、メリットとデメリットについて紹介しましたがいかがでしたでしょうか。事業内容や規模によって判断基準がそれぞれ大きく異なるということや、事業開始のスピード感という面においては個人事業主が、また節税という面では株式会社の方が多くのメリットが存在することなどが分かっていただけたかと思います。新規事業を検討されている方にとって、この記事が有益な情報となり成功を掴むきっかけとなることを願っています。

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