デイサービス開業時にチェックすべきポイントとは!?

デイサービス開業時にチェックすべきポイントとは!?

目次│デイサービス開業時にチェックすべきポイントとは!?

1.そもそもデイサービスって? 
2.デイサービスを開業するために必要なことって?
3.デイサービス開業後に必要なことって?
4.デイサービスの開業資金っていくらぐらい?その内容は?
5.まとめ

1.そもそもデイサービスって?

1.1 デイサービスってどんなサービス?

デイサービス(通所介護)とは体の自由が利かなくなってしまい、要介護認定を受けた
方が自宅での生活を継続していけるようにするためのサービスです。また宿泊型の
老人ホームなどとは違い週に数回だけ通うというように気軽に利用できる点も特徴です。

デイサービスは身体機能の維持や向上を目的としており、機能訓練などをしています。また、体が不自由になってしまい外出ができなくなってしまった方に対し他者と交流する機会を与えることによりストレスを軽減したり、認知症を予防する役割も果たしています。

1.2 デイサービスの魅力

利用者にとってのデイサービスの魅力として挙げられるのは、活き活きとした生活ができるようになるという点でしょう。デイサービスは、他の利用者や従業員と一緒に過ごすことが多くなるため、コミュニケーションの機会が増えることが大きな魅力です。

またデイサービスではレクリエーションなどの行事が定期的に行われることもあります。高齢によって様々なアクティビティが参加しづらくなりがちですが、デイサービスでは利用者の状態にあった行事が行われているため、楽しむことができます。

さらに、もう一つの魅力として挙げられるのがリハビリなどのサポートです。デイサービスは機能訓練面の充実が必須となっています。リハビリを通して、できるだけ日常生活において自立した生活を送ることができるようにサポートします。自立した生活を送ることができるようになれば、家族の負担が軽減するとともに、高齢者にとってもより長く住み続けた地域の中で、住み慣れた自宅で過ごすことができるというのは大きな魅力でしょう。

次に職員にとっての魅力です。デイサービスでは介護未経験でも求人を見つけることができます。また介護職の資格取得の支援を行っている事業所もあり、デイサービス事業所の従業員として働きながら、介護の取得を目指すといった働き方ができるのがデイサービスの魅力でしょう。さらにデイサービスは他の一般的な介護施設とは違い、日中のみの勤務で夜勤がない事業所が大半なので、子育てなどをしながら働くことができます。

2.デイサービスを開業するために必要なことって?

デイサービスの開業には資格を持った人材を集めたり、開業場所を選定する必要があります。またデイサービスの開業には法人格の取得も必須であるため、基本的な知識はしっかりと身に着けておく必要があるでしょう。

2.1 法人格について

デイサービスの開業には法人格の取得が必要になります。法人には様々な種類があり、それぞれメリットデメリットがあります。

まず株式会社ですが信用度が高いことがメリットとして挙げられます。デメリットは費用が比較的高いことです。必ずかかる費用として、登録免許税が15万円、定款承認費用が5万円であり、合計で約20万円かかります。

次に合同会社のメリットは定款承認が不要であり、設立費用が安く、設立までのスピードが最も早いという点です。必ずかかる費用は登録免許税の約6万円です。デメリットは平成18年に新しく設立できるようになった会社で、まだ数が少なく信用度も比較的低いということが挙げられます。

3番目にNPO法人ですが、メリットは信用度が非常に高いということが挙げられます。非営利団体なので、介護事業と最も相性が良いといえます。また、資本金も不要で、納税すべき税金もゼロというのが大きなメリットでしょう。デメリットは知事の認可を得て設立登記までに3か月程度かかる可能性があります。

4番目に一般社団法人ですが、メリットは設立手続きが簡単で登録免許費も株式会社に比べて安く約14万円程度で設立可能です。デメリットは認知度が低く、社会的信用は比較的低いとされています。

最後に社会福祉法人ですが、メリットは信用度の高さと税金の優遇があることです。デメリットは所官庁等の監督下に置かれるため運営に重要な問題が発生した場合、行政処分から解散命令といった厳しい処分がされる可能性があります。また設立までの期間が1年以上かかることもあります。

以上が法人格の特徴です。それぞれメリットとデメリットを考慮して今後の展開を考えることが重要です。

2.2 開業地域の選定に関する重要なポイント

デイサービスの開業は基本的には人口が多い地域を選択するのが無難ですが高齢者が多い住宅地が近くにある、競合がそれほど多くないといったことを調査することが重要となります。

さらに地域密着型にする場合は、ライバルの多い中心部ではなく市町村の境を意識しましょう。また職員が通いやすい立地にすることで、求人に対する応募も集まりやすいと考えられます。

2.3 施設の建設や改修工事

デイサービスを開業する際内装に関しては制度も定めめられており、バリアフリー等の工事が必要になります。さらに施設の設備には基準が設けられているため基準を満たしていない場合、営業許可が下りない場合があるので注意が必要です。

2.4 スタッフの採用

デイサービスの開業には人員基準が設けられています。以下の職種にそれぞれ定められた人数の人員を配置しなけばいけません。

生活相談員
介護福祉のまたは社会福祉士、社会福祉主事、精神保健福祉士の資格が必要になります。
一人以上必要です。

看護職員
通所介護の単位ごとに一人以上必要です。また看護師、准看護師の資格が必要です。

介護職員
デイサービスの利用者15人までは一人以上必要です。15人を超える場合は5人おきにさらにもう一人の人員が必要です。資格は必須ではありません。

機能訓練指導員
看護師、准看護師、理学療法士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、作業療法士、言語聴覚士のいずれかの資格を持つ職員を一人以上配置する必要があります。

管理者
一人以上必要です。特に資格は必要ありません。

3.デイサービス開業後に必要なことって?

3.1 デイサービスを使用したい人を集客する

デイサービスの集客にはまず営業があります。営業先としてはケアマネージャー、地域包括支援センター、医療機関、介護老人保健施設、地域住民といったところがあります。

また他の事業所との差別化やこれからの時代に求められることをしっかりと考え、強みとして発信していくのが良いでしょう。

さらにデイサービスは口コミ等で広がることも多いので、地域住民を獲得したい場合は口コミサービス等を利用することをおすすめします。

3.2 デイサービスの従業員管理

デイサービス利用者に気持ちよく施設を利用してもらうにはそこで働く職員管理も重要です。交通の便や給料、福利厚生の充実など、職員が活き活きと長く働ける職場を創るように心がけましょう。

4.デイサービスの開業資金っていくらぐらい?その内容は?

開業時に必要な資金は合計で1000万円以上は必要となります。また当面の運転資金も必要になるため資金は十分に用意しておくべきでしょう。

①人件費
管理者、生活相談員、機能訓練指導員、看護職員、介護職員といった職員を雇う必要があります。専門の資格を持った従業員を雇う必要もあります。求人広告費と合わせて100万円程度が目安となります。

②物件費
都道府県や立地によって大きく異なりますが。大都市の中心部だと坪単価20000円以上の物件もあるようです。ある程度の大きさの施設(30坪)と駐車場付で想定し、初期費用を考えると150万円以上がかかる見込みでしょう。

③内装工事費
利用者のトイレ・洗面台などデイサービスの施設基準で設置が義務ずけられている設備があります。また、車いすの利用等に支障が生じないようにバリアフリーの設備にするため、設計やデザイン費用含め500万円程度が目安となります。

④設備・備品費
大型液晶テレビやDVDプレイヤー、その他の営業備品などを合わせ100万円程度が目安となります。

⑤車両費
送迎用の車が必要です。車いす1台の乗車に対応した送迎車を2台で160万円程度必要になります。福祉車両として自動車税の減免を受ける場合、リース購入車を対象外とする自治体もあるため、現金での購入を検討すると良いでしょう。

⑥法人設立費
20万円が目安となります。法人の種類によって変わるためメリットデメリットを考慮して、状況に応じて最適なものを選ぶ必要があるでしょう。

5.まとめ

デイサービスの開業には多くの資金やたくさんの申請が必要となりますが、社会的にはニーズが増えており、デイサービスによって自宅で自立した生活を送ることができる高齢者が増え、家族の介護の負担も軽減できるため、非常にやりがいのある事業であると言えます。この記事を見てデイサービスに興味を持った方は、開業を検討してみてはいかがでしょうか。

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