ストックビジネスとは?フロービジネスの違いと、そのメリットとデメリット

「ストックビジネス」そして「フロービジネス」はまだあまり聞き慣れない用語で、その意味をよく知らない方も多いのではないでしょうか。まずはその二つの用語の違い、そしてストックビジネスのメリットとデメリットについて解説していきます。

フロービジネスとは?

もっとも身近にあるビジネスのほとんどがフロービジネスです。フローとは英語でflow、流れる、という意味です。フロービジネスとは、顧客との取引は一度きりで、その都度の取引で収益をあげていくスタイルのビジネスです。例えば、コンビニやスーパー、レストラン、居酒屋、または洋服店や文具店などもフロービジネスです。好きで贔屓にしているレストランなどでも、その都度の会計で取引は終わり、継続の契約をしているわけではないので、フロービジネスになります。次の取引があることの保証がされていないため、たとえサービスや商品のクオリティーを保っていても、季節や流行、交通の変化、競合店などの環境の変化によって売り上が変わっていきます。

ストックビジネスとは?

ストックとは英語でstock、蓄える、という意味で「顧客と契約を結び、長期または月ごとの会員を確保する事で継続的な収益を得るスタイルのビジネス」です。長期の家賃の支払いや、月毎のガス代、電気代、電話代もストックビジネスです。毎月通う習い事や、介護事業もその代表といえるでしょう。最近ではNetfix、Amazonプライム、Spotify など、毎月定額を支払い、ストリーミングや特別なサービスを受けられるものも増えてきました。契約が続く限り、毎月、もしくは年単位での決まった収益が見込めます。

ストックビジネスのメリットとは?

ストックビジネスのもっとも大きなメリットは、収益が安定することです。契約が終了するまでは、継続的な収益が見込めるため、ビジネスの計画が立てやすくなります。家賃のように高額なものから、毎月500円のものまで価格設定はそれぞれですが、ビジネスが軌道に乗り始め、顧客を増やしていくことができれば、収益も積み重なっていきます。また、フロービジネスの取引は一度きりなのに対し、ストックビジネスは継続的なので、顧客との関係性も深くなります。不満点や改善してほしい点、またはどのようなサービスがもっとも喜んでもらえたかなど、顧客とのコミュニケーションを取る事が可能です。顧客が求めている事を知ることができるので、マーケティングにも大きく役立ちます。営業活動を効率的にできるのもストックビジネスのメリットです。顧客とのコミュニケーションを上手く保つ事ができれば、契約の更新も望めますし、多少の値下げをしなくてはいけなくても、のちに採算が取れるようになります。この点が、一度きりの取引であるフロービジネスにはないメリットです。

ストックビジネスのデメリットとは?

上記のメリットを見ると、とても効率の良いビジネスのように見えますが、そんなストックビジネスにもデメリットがいくつかあります。ストックビネスは契約を結んでくれる顧客がいなければ収益は得られません。つまり、ストックビジネスを始めたばかりで、顧客数が少ない段階では、多くの収益が見込めないという事です。サービスの改善や、マーケティングの思考錯誤はもちろん、一定数の顧客を確保するまでをしのぐ予算や、他のフロービジネスが必要になるでしょう。また、契約率や解約率の分析を行い、ビジネスの状況を把握することが大切です。一定期間最善を尽くしても、契約率が思うように伸びず、解約率が上がってしまっている場合は、そのサービスがストックビジネスに向いていないという事かもしれません。どのビジネスにおいてもですが、ストックビジネスでも厳しい目での見極めと撤退が必要とされます。

ストックビジネスに向いているものとは?

ストックビジネスに向いているサービスや商品はどのようなものなのでしょうか。いくつか例をみてきましょう。

定期購入

ストックビジネスで成功率が高いものが定期購入です。定期購入とは、ある期間の契約を顧客と結び、決まった時期に商品やサービスの提供を行うものです。顧客にとっては、丁度その商品を使い切るタイミングで新しいものが届くので買い忘れがなく便利なこと、また定期購入の契約をする事により、通常の値段からディスカウントを受けられるというのが魅力です。まずはその商品を気に入ってもらい、また使いたいと思ってもらう事が大切です。サプリメントや化粧品、カミソリや歯ブラシなどの消耗品がこの定期購入によく使われています。自分で選んだものではなく、毎月流行に合わせたコスメや洋服、旬の野菜やフルーツが届く、などといった新しい形での定期購入サービスも増えています。

定期メンテナンス

毎日使われている機械や、建物、エレベーターやエスカレーター、セキュリティシステムなど、定期的なメンテナンスを必要とするものを対象としたビジネスです。機械などの商品を購入した際に契約が結ばれる事が多く、長期的な収益が見込めます。

レンタルサービス

レンタルすることにより、購入するよりも安く、しかも多くのものを楽しめるというのがレンタルの魅力です。月額のレンタル料金を払うことにより、DVDやマンガ、または高価なブランドバッグや洋服を借りる事ができるサービスが人気です。購入しても収納する場所が家にない、洋服や装飾品の場合は何回も着用するよりもレンタルで色々なデザインを楽しみたい、などが人気の理由です。洋服に関しては、多少汚してしまってもクリーニング不要という、顧客への負担を考慮しているレンタルサービスが多くなっています。

保険

多くの人が契約している保険もストックビジネスの一つです。生命保険から自動車保険、災害保険など種類が多様で、幅広い年齢層に利用されています。利用者のほとんどが保険の見直しを定期的に行いますが、契約自体は継続される事が多く、長い間の収益が期待できます。

ストックビジネスを成功させるには

上記したように、一定数以上の顧客が確保できれば、安定した収益を見込めるのがストックビジネスです。まずは顧客を増やすために、自分のビジネスについて知ってもらう必要があります。そのためにはソーシャルメディアの活用は欠かせません。TwitterやFacebook, instagram など、ターゲット層に適した内容の更新を定期的に行いましょう。そこからメルマガの登録を促し、顧客とのコミュニケーション方法を増やします。メルマガも、他のビジネスと一緒に埋もれてしまうようなものではなく、デザインをおしゃれにする、HTMLメールを使用するなどの工夫をしましょう。そしてストックビジネスは即効性のある収益が見込めるビジネススタイルではないため、十分な予算を確保しておきましょう。予算が足りず、軌道に乗る前に諦めなくてはいけない、という状況に追い込まれないよう、入念な計画作りが必要です。

まとめ

フロービジネスが「顧客との取引は一度きりだが収益がすぐ得られる」ビジネスモデルなのに対し、ストックビジネスは「軌道に乗るまで時間がかかるが、顧客との契約が結ばれるため、収入が安定しやすい」というビジネスモデルです。自分が売り出したい商品やサービスはストックビジネスに向いているものか、また安定した収入が得られるまでの予算は十分かなどを吟味し、その上でソーシャルメディアやメルマガなどを利用した効率的な営業方法を考えてみましょう。

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