まず「独立」の意味を辞書で調べてみると、広くは他のものから離れて別になっていること、また外界から束縛や支配を受けず、自らの意志で行動することを指します。例えば子供が成人になり、両親の住む家から出て自ら生計を立て、自立していくことも独立と言います。
ビジネス用語においての「独立」というと、これまでいた会社から巣立ち、得意分野を生かして自ら開業してビジネスをスタートさせることを指します。
しかし、これはそれまで会社勤めをして極めてきた仕事の分野において新しくビジネスを展開していくことであり、今まで従事してこなかった分野にて新規開業することとは異なります。開業とは新しくビジネスをスタートさせるという意味ですが、全く触れたことのない新しい分野にて開業することは独立とは異なります。先ほども述べたように、あくまでこれまで培ってきた経験やスキルを活かし、雇われていた会社から独り立ちをし新たに開業することを独立、または独立開業と言います。
また独立するということは、会社経営に関することの全てことに決定権を持つということです。自分が会社のオーナーになり、これまで雇われの身として一定レベルまで制限されていた収入や就業体制、待遇などを全て自分の好きなように設定できるようになります。
このようにある種の束縛から自由になれるという点で、独立はある意味自由への第一歩とも言えるかもしれません。
では、具体的にはどのようにしたら独立の夢を叶えることができるのか説明いたします。 代表的な独立の方法例を2つあげると、一つは個人事業主になって開業する方法、もう一つは法人を設立する方法です
まず初めに個人事業主になる方法ですが、法人設立と比べ手続きなどが簡単で、よりスムーズに始めることができます。
手順としては開業届を税務署へ提出することで個人事業主になることができます。基本的に開業届は事業開始日から1ヶ月以内に提出しますが、この期限を過ぎても特に罰則等はありません。ただ、開業をしてから銀行での手続きなどで開業届の提出を求められることがあるため、予め提出しておいた方が後々の手続きが楽になります。
また青色申告承認申請書の提出も同時にすることをおすすめします。
これは所得税の計算をする際に優遇を受けるために提出するもので、必ず提出しなければいけないといった義務はありませんが、独立をする上で多くのメリットがあるため是非開業届と一緒に提出しておきたい書類です。
この最大のメリットは、65万円の控除が受けられることです。そのためには8種類もの帳簿を作成し、「複式簿記」をする必要があります。それが少し面倒という場合は、家計簿をつけるような感覚で「簡単簿記」をし10万円の控除を受ける方法もありますが、複式簿記は会計ソフトを使用すれば全て自動記入することができるため、是非そのようなツールを使用して65万円の控除を受けたいところです。
他には家族への給料を経費として計算できたり、赤字を3年間繰り越すことができたりと、青色申告承認申請書を提出することはこれから独立を考えている方にとっては必ず踏んでおきたいステップであると言えるでしょう。
次に独立開業する方法として、法人を設立する方法について説明します。
これは個人事業主として独立する場合と違い、初期費用として最低でも約20万円はかかります。この20万円は、会社を設立する際の登記のみにかかる費用です。この他に資本金や法人住民税なども追加でかかってくるため、独立をする第一歩目としては少々勇気のいる方法ではあります。
しかし法人設立での独立でももちろんメリットはあり、まず法人というだけで対外的な信頼感を得られるということ、個人とは違い節税できる割合が大幅に増えること、また金融機関などへの資金調達がスムーズになったりと、長い目で見たときに得られる特典は多いと言えるでしょう。
金銭面に余裕がある、また会計等の知識を豊富に持っているという場合は法人を独立開業の方法として考えるのもいいかもしれませんが、やはりローリスク且つ手早く事業を始めたいというのであればまずは個人事業主として独立、その後ビジネスに未来が見えてきたタイミングで法人化を検討するのでも遅くはないかもしれません。
独立への具体的なステップが分かったとことろで、世の中にはどんな独立開業のビジネスモデルがあるのかを見ていきたいと思います。
まずは手軽に独立する方法としてネットショップ運営があります。
近年はITツールなどの普及率が格段に増え、今やネットショップはパソコン一台さえれあば始めることができます。ネット上にショップを構え、自分のビジネスを売りだしていくことのできるこのネットショップ運営、何が良いのかというと初期費用を低額に抑えることが可能という点です。もちろんどんな商材を売るのかにもよりますが、例えば自分が着ていた洋服や使用していた家電用品、電化製品などの中古品をネットで販売する場合は、販売にあたり商材を仕入れたりする必要がなく、梱包材などだけ準備すればすぐにビジネスをスタートすることができます。その後利益を資金に回し、広告はSNSなどのツールをうまく使ってどんどんネットショップの規模を大きくしていくことも可能です。
特に営業職や販売職の方が独立する方法としては、ネット環境を使うだけでこれまでのビジネススキルや販売知識、経験が活かせるためおすすめです。
独立して飲食店を開業するメリットは、メニューや店のコンセプトなどで個性が出しやすい点です。マニュアルや方針に縛られることがないため、あらゆる面で大手にはできていない画期的な戦略で差別化を図ることができ、思い描いた理想の方法でお店を回していけることができます。
また小規模でお店を独立開業するのであれば、おおよその準備資金は約800万円から1200万円ほどと言われています。お店を構えるための土地代や改装費、食器や設備などの準備費や営業保証金など、営業を始める前の資金調達は必須ですが、飲食店は仕入れ金額に対し比較的粗利益が出やすいビジネスであるため、後の利益を考えると初期投資の資金は努力次第で採算が取れるでしょう。
しかし、飲食店は競争の激しいビジネスフィールドでもあります。しっかりと周辺店舗の調査も含めたマーケティングを怠らず、店のコンセプトを練りオリジナリティを出すことができれば高い利益を出すこともできますが、独立となると全てが自己責任となるため廃業のリスクとも常に隣り合わせです。しっかりと計画を練って事業を進めていくことが、独立して飲食店を成功させる鍵となるでしょう。
独立におけるビジネスプランと大まかな内容を紹介しましたが、それらの事業で独立をする上で大切な事や、気をつけておくべき事等について説明します。
まずはじめに大切なのは、どうして独立したいのか、どのようなビジネスを誰にどのように展開していくのかなどを含めた目標・コンセプトをあらかじめしっかりと持っておく事です。この根底の部分がしっかりしていることで、将来経営がつまずくようなことがあっても目的を見直すことで軌道修正を図ることができます。
また、独立を考える前には綿密に計画を練っておくことも重要です。会社勤めの場合は、多少失敗をしてもほとんどの場合は会社に守られることが多くありますが、独立をするとそれら今まで守られていたものが全て自分の責任になります。仕事ができなくなった場合や、事業が失敗した場合のことなども含め、長期間且つ具体的なプランを立てておく事が大切です。
独立の醍醐味は、収入面や働き方などである意味自由になれる点です。自分でビジネスにおける全ての決定を下し、会社のマニュアルや規定に縛られることなく好きなように事業を展開していくことができます。
しかし一方で、上手くいかなかったときの責任も全て自分に降りかかるため、独立をするということは自由とリスクを同時に背負うということでもあります。しっかりと将来を見据え、自分にしかできないビジネス展開を堅実に行っていくことが独立成功への第一歩と言えるでしょう。
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