今働いている会社から独立する、また新たに開業を目指されている方にとって、まず初めに大きなタスクとして降りかかってくるのが開業資金の準備です。開業に際して、どこかの機関で一律に必要資金額というものが設定されているわけではなく、どんなビジネスをスタートさせるか、またどんな場所で、この先どのように運営していくかで開業資金額には大きな差が生じます。そこで、この記事では開業にあたり店舗を持つか持たないかといった「事業形態別」でのおおよその必要資金の目安を解説、またその上でその資金調達にはどういった方法があるのかをご紹介いたします。
まず初めに、大きく準備資金の差が生じる事業形態別でのおおよその開業資金額についてご紹介いたします。
無店舗での開業形態というと、その多くがネットビジネスやネットショップなどを運営し、インターネットサービスやITツールなどのみで運営を完結できる事業を展開します。店舗を持たず自宅を事務所化するなどして開業することで、賃料を節約できるのが大きなメリットです。必要となる開業資金としてはパソコンをはじめプリンター、ネットサービス利用料などです。ただし、実店舗を持つビジネス形態ではお客様が入店してくることでビジネスチャンスが生まれますが、無店舗での開業はこちらから出向いていかないと売り上げにはなかなか繋がりません。よって攻めの姿勢が重要となり、集客方法として広告などに投資する割合が比較的高くなる傾向にあります。
次に店舗を持って開業する場合の必要資金ですが、まず初めに店舗の賃料が発生します。どんなビジネスを展開するかによりますが、ネイルサロンの開業で都内の一等地1F部分を賃貸する場合は約500万円、また飲食店であれば東京の郊外で安くて約10数万程度はかかります。その他にも必要什器や機材などへの初期投資、水道電気代、また食材などの経費を支払わなくてはなりません。しかし先程にも述べたように、店舗があるというだけで見込める集客率があることや、自宅での運営ではないため、お店の宣伝をしたい場合に大々的に住所を公開できるというメリットがあるのは実店舗ならではの強みです。
では、それらの開業資金を調達するには一体どうすればいいのでしょうか?自己資金や融資、クラウドファンディングなど、開業資金を調達する方法は様々です。自分自身で準備できる資金は多いに越したことはありませんが、開業資金全額を自分でまかなえる方の割合はそう多くありません。ここでは、開業準備に知っておいて損はない資金調達方法をご紹介いたします。
まずは一番手堅く準備しておきたい自己資金についてです。他力本願よりもまずは自分から貯金をすることから始めましょう。小額でもいいので、月々の給与から定額積立をするなどしてコツコツ貯めていくことでまず一歩目を踏み出しましょう。その他に、株式や投資信託などでお金を運用したり、最終的にはそれらを売却、また退職金などを開業資金に回すことも可能です。売却で資金を得る方法としては、生命保険の解約、また自宅を売却するなどしてある程度の金額を確保することができます。いずれにしても長期的な投資や準備が必要なものばかりで、思い立ってからすぐにまとまった金額が手元に入ってくるものではありません。開業までにしっかりプランを立て、計画的に自己資産を増やしておくことをお勧めします。
国や地方自治体には、開業する方に向けて助成金や補助金を提供している機関などが存在します。ある一定の条件をクリアすることで、それらの機関からまとまった金額を獲得できるチャンスがあるため、是非開業前にトライしておきたい制度です。それでは具体的にはどんな制度があるかご紹介していきます
これは有期契約社員など、正社員ではない労働者のキャリアアップを応援するために作られた助成金で、事業主を対象に配当されます。この助成金には正社員化コースや人材育成コースなどがあり、承認されれば一人あたりの助成額として20万円から50万円をもらうことができます。
都内の事業者に向け、都内の産業活動ないし事業活動の向上を後押しすることを目的とした助成金です。開業時に必要な賃料や広告費、人件費などをサポートする内容になっており、金額は最低100万円から最高300万円まで支給されます。
画期的な商品開発や、新しいサービスなどの制作を試みる事業者に対し交付される助成金です。主に制作のプロセスで必要となる機械装置やシステムの構築費など、設備投資に対する支援を目的としています。上限金額は約1000万円に設定されています。
こちらは小規模事業者を対象とした補助金で、主に顧客を増やすための取り組みを支援するものです。対象事業内容としては販売開拓に向けて行うホームページの開設や広告媒体の作成、店舗の改装などで、上限額は約50万円ほどとされています。
IT導入補助金とは名前の通り、事業において必要となるソフトウエアや導入によって生じる経費をサポートするもので、主に小規模事業者や中小企業などを対象に交付される助成金です。業務プロセスの数によってA型とB型のどちらかに振り分けられ、A型に当てはまる場合は約30万円から150万円、B型に当てはまる場合は150万円から450万円の支給と、支給金額に幅があります。
最近よく耳にするクラウドファンディング、これはビジネス限らず自分の計画などに賛同してくれる不特定多数の方を集め、サービスや資金を提供してもらうネット上のサービスです。基本的にクラウドファンディングでは自分の計画に投資してくれた方に対し、サービスや商品などの何らかの形でお返しすることで利害関係を生み出しています。資金調達をする場合には、まずクラウドファンディングのサイトに登録します。その後に資金調達を目的としたプロジェクトをサイト内に立ち上げ、達成目標金額を設定します。プロジェクトにはしっかりとしたプロジェクト内容はもちろん、応募の背景や資金の利用目的、また支援してくれる方への返礼について明言する必要があります。ここで自分の事業内容などを気に入ってサポートしてくれるようなファン層を作ることができれば、今後の運営にもプラスになります。また、クラウドファンディングを使用するメリットとして、自分と似たような目標を持った人や、同業者とのコネクションを作ることができるという点があります。資金調達と一緒に人脈を広げることができれば一石二鳥で、これから開業する方にとって周りと差をつける大きなアドバンテージとなります。クラウドファンディングを行っている大手のサイトにはCAMPFIRE、Makuake、Readyforなどがあります。
開業に際し、資金調達方法を含めた開業事前準備内容についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか?事業内容によって準備金としてかかる費用や、受け取れる助成金などの金額が大きく変わることがわかっていただけたかと思います。これから開業を考えている方は、もう一度自分の目指す事業がどのくらいの規模であるかを見直し、また補助金に加えクラウドファンディングなどの便利なオプションを資金調達方法として選択することも視野に入れながら、是非自分にとって一番メリットのある方法を選んでください。
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