落ち着いたお洒落な空間で、こだわりの料理やドリンクを提供し、お客さまを笑顔にすることができるカフェ経営。いつかチャレンジしたいと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、外からはキラキラと輝いて見えるからと言って、必ずしもその内側も同じように輝いているとは限りません。華やかな舞台の裏に、地道な努力があることも少なくないのです。今回はカフェ経営について、その実情や成功するためのポイントなどを解説していきます。
カフェ経営を始めるにあたって、まず理解しておかなければならないのが喫茶店とカフェの違いです。一見すると、名前や雰囲気が違うだけと思われがちがこの2つですが、実は明確な違いが存在します。それが、営業許可とそれによって提供できるメニューの違いです。喫茶店の場合、喫茶店営業許可を取得することで事業を始めることができますが、この場合はコーヒーなどの飲み物と、菓子や果物、加熱だけの簡単な軽食しか提供することはできません。対して、カフェ経営の場合に必要となるのは飲食店営業許可で、これがあればしっかりとした調理が必要な料理や、アルコール類なども提供することが可能になります。飲み物を主体としたのが喫茶店、料理にもこだわるのがカフェ、と覚えておくと良いでしょう。ちなみに、店名に対するルールは特にありませんので、喫茶店を名乗りつつカフェとして営業したり、カフェと名乗りつつ喫茶店として営業したりすることは可能です。
お洒落で充実した印象を受けるカフェ経営ですが、実際の年収はどれぐらいなのでしょうか。お店の種類や提供するメニュー、場所などによって差はあるものの、個人経営による一般的なカフェの年収は200万~500万円程度といわれています。年収500万円が達成できれば、それなりに充実した生活を送ることも難しくありませんが、200万円程度では、なかなか苦しい生活になってしまうかもしれません。実際、脱サラをして念願のカフェ経営に乗り出したものの、年収が大きく下がってしまったという人も少なくないのです。
またカフェを個人経営で行うからこその難しさもあります。それが、大手カフェチェーンの存在です。全国的にカフェがブームになっている昨今、日本中の到るところに大手カフェチェーンが出店しており、個人経営の店舗はそこと真正面から戦っていかなければなりません。馴染みのお客さまがいれば良いのですが、出店して間もない頃では、どうしても大手カフェチェーンの方に客は流れていきがちですから、料金やサービス、メニューなどについて、大手カフェチェーンにはない魅力をしっかりと出していかなければなりません。そうするとどうしてもオーナーの負担は増えがちですから、決して楽な戦いとは言えないでしょう。また個人経営だからこそ、機械の故障や自身の体調不良などによる影響もより強くなってしまいます。カフェ経営に挑戦する際には、こうした個人経営ならではの大変さも十分に理解しておくことが大切です。
カフェ経営の難しさや大変さをお伝えしてきましたが、裏を返せばそこにチャンスがあるとも言えます。大手カフェチェーンにはない自由さで、店内やメニューを自由にカスタマイズしながら、地域の人々に愛されるお店作りをしてみるのも良いでしょう。最近であれば、「インスタ映え」という言葉があるように、見た目にインパクトのある料理を出せば、それだけで大きな注目を得られるかもしれません。いずれにしても大切なのは、周りの様子や社会の様子をしっかりとチェックし、それに合わせて対策を練っていくことです。比較的高齢者が多いエリアで、派手な内装やメニューを用意しても効果は低いでしょうし、ブームが過ぎたメニューをいつまでも提供していては新規顧客の開拓にはつながりません。情報収集をしっかりと行い、時流に合わせて経営をしていくことが、カフェ経営成功の近道なのです。
個人でゼロからカフェ経営を始めることに不安のある方は、カフェフランチャイズに加盟するという選択肢もおすすめです。フランチャイズとは全国にチェーン展開するブランドが加盟店を募り、多数の店舗を出店するという仕組みです。フランチャイズ加盟店は加盟金や手数料としてのロイヤリティを支払う代わりに、有名なブランド名や商品、サービス、設備、システムなどを扱う権利を得られます。それでは、カフェフランチャイズに加盟するメリットを具体的に見ていきましょう。
個人でカフェを開業する場合、物件探しや内装、デザインの検討、工事、メニュー開発、コンセプト作りなど全て一人で対応しなければならないため、場合によっては準備だけで1年以上の期間が必要になります。カフェフランチャイズなら本部企業が開業準備の支援をしてくれるだけでなく、場合によっては成功率の高い立地の物件獲得のサポートや居ぬき物件の提供なども対応してもらえます。また、フランチャイズ本部が用意する有名ブランドのメニューを提供できるため、メニュー開発に手間をかける必要もありません。
カフェフランチャイズは有名ブランドの名前を使用できるため、個人経営のカフェに比べて開業初日から集客できる可能性が高いです。個人経営のカフェであればチラシやポスターなどの準備費用も必要ですが、カフェフランチャイズならその点をサポートしてもらえたり、個人経営よりも少ない宣伝量で大きな集客が見込めます。
フランチャイズに加盟するとロイヤリティを支払う必要がありますが、その見返りとして本部企業からの手厚い支援を受けることができます。
スーパーバイザーが定期的に店舗を訪問して経営の改善や指導などを行うので、不安な点があれば相談するとよいでしょう。また、人材採用面でも有名ブランドの力は強く、本部企業から採用に関するサポートやアドバイスを受けられるのもメリットです。
カフェフランチャイズは様々なメリットがある一方で、デメリットも存在します。その内容を紹介します。
フランチャイズ本部のルールに従う必要があるため、個人経営のカフェに比べて経営の自由度は低いです。オリジナルメニューを開発したり、独自のコンセプトのお店に仕上げたり、内装や外装のデザインを自由にしたりといったことは基本的にできません。自分自身で好きなようにカフェを作り上げたいという思いが強い方は、カフェフランチャイズは窮屈に感じられる可能性があります。
個人経営のカフェであればトラブルは自己責任ですが、フランチャイズの場合はそうはいきません。例えば、他の加盟店で食中毒事件が起きてしまった場合、ブランド全体のイメージが低下するため自分が運営する店舗の客足も遠のいてしまうリスクがあるのです。
カフェフランチャイズは有名ブランドの名前を借りて、本部企業の支援も受けることができますが、毎月支払うロイヤリティが負担になってしまう可能性があります。カフェフランチャイズのロイヤリティの相場は、売上の3~5%程度となっています。ロイヤリティが5%の場合、月の売上が200万円であれば10万円のロイヤリティを支払うことになります。
憧れる人も多いカフェ経営ですが、成功するためには相当の努力が求められます。特に個人経営のカフェは利益を出すのが難しい傾向にあり、副業など片手間で取り組むことはおすすめしません。しかし、カフェフランチャイズに加盟したり、個人経営で工夫を重ねたりすることでファンを増やすことは可能です。カフェのファンが増えれば増えるほど、売上も年収もアップさせることができるので、夢を実現するために情報やノウハウを吸収してスキルアップしていきましょう。
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